研修会 - 2016年度

「全国大学ゴルフ指導者研究会第21回研修会を終えて」

 3月6日から8日の2泊3日の日程で24名の参加者を得て、第21回の研修会が行われた。会場となった富岡倶楽部の全面的な協力に感謝したい。また、参加者の高い満足度の中で研修会が終了したことを主催者一同、大変嬉しく思っている。これも一重に全国大学体育連合からのご支援の賜物である。深く感謝申し上げたい。

 本年のプロによる指導も満足度が高かった。多くの参加者から浅井プロによる的確なアドバイスが良かったと言う感想を頂いた。

 1日目は、打撃場及びアプローチ練習場による研修が行われた。打撃場では、まず、肩のラインとわきの下のラインを基準とした構え方の指導方法が行われた。その後に時計の文字盤をイメージしての指導方法が行われた。4時から8時のスイングによる打撃練習である。この様な高いポジショニングとビジネズゾーンでのビシッとしたスイングの仕方は、多くの参加者に大きな変化を感じさせたに違いない。クラブの落ちる感覚、軸の形成、ボールの正確性等々である。

 プロによる全員に対する個別指導も、大きな満足度をもたらした。参加者は、学生指導の中で持っている不安や疑問についてプロに確認出来たことも大きかったようである。また、スマホアプリを利用してのスイングの確認と修正は、自らの身体とクラブの動きを視覚的に認識でき、望ましい結果を導き出してくれるより良いツールであり、指導法であることを改めて感じとっていたようである。

芝の上からのアプローチの練習も行われた。左腕とクラブの関係、左足体重、ボールの位置、ボディーターン、グリップ位置等のポイントが示された。マットではなく、芝の上での練習は正確なボールへのコンタクトとランを確認する上で貴重である。

 2日目は、プロによるラウンドレッスンが行われた。目標とスタンスの向きの取り方、硬いバンカーでのクラブフェイスの向きの重要性と飛距離との関係、コースの攻略方法、状況に応じたクラブ選択等々、個々人の状況に応じた指導がなされた。

 1日目も2日目もそうであったが、講習プログラムが終了した後も、それぞれの先生方は練習場で研鑚を積んでいた。昨年の要望に1日の研修プログラムの後に自主練習ができる時間が欲しいと言う要望があったが、今年は、その時間も確保され、その要望通り、ほとんどの先生方が、両日とも研修プログラム終了後に自主練習を行っていた。



 夜には、東京ゴルフ専門学校の内藤校長先生と渡辺氏による講義が行なわれた。

 5つのボールを使ったグリップの仕方、トイレットペーパーを使ったスイングのチェック方法、さまざまな教材の提示がなされた。また、飛距離においては、スイングスピードよりも正確なミート率の方がより効果的に飛距離を伸ばせることなどもエビデンスを示しながら説明された。講義における話題はゴルフ普及のために如何に楽しく子どもたちにゴルフをしてもらうかという工夫の紹介、また、ゴルフと人間形成についてと多岐にわたった。1時間の講義は、あっという間であった。

 講義の後には、大学におけるゴルフ授業の事例発表が行われた。山根先生による日本福祉大学でのゴルフ授業の実践例がシラバス等の資料をもとに報告された。また、講義、事例発表ともに活発な質疑応答がなされた。

 1日目、2日目とも懇親会が開催され、そこでも熱心な議論、指導がなされた。毎年のことであるが、ほとんど全てのメンバーが参加し、22時30分まで楽しく飲みながら、ゴルフ談議に花を咲せた。参加された先生方の熱心さに毎年感心させられる光景であり、参加者同士の良い交流の場となっている。






 最終日は、これまでの練習の成果が試される総合的な研修の場である。指導する教員には、ラウンドでの一定のスキルも求められる。「あるがままに打つ」ゴルフにおいては、その状況に応じた対処の仕方が求められる。また、コース攻略の方法も学生にレクチャーできる必要がある。コースでは、ティーグランドからすでに意図的に様々な仕掛けがなされており、それを如何に見抜き、戦略的にボールを運び、カップインさせるかが試される。ゴルフは、そんな知的なスポーツでもあり、また、他者に対して敬意を払い、マナーが強く求められる礼に始まり、礼に終わるスポーツでもある。更に、審判は自分であるが故に、ジェントルマンシップがより要求され、人格陶冶の点からも評価されるスポーツである。

 自然との闘い、自己との闘いと評されるゴルフは、この様なコースに出て、ゲーム(ラウンド)を楽しむことによって、初めてその本質的意味を体験的に学ぶことができる。ゴルフ場での実戦的練習は、費用、時間、仲間等の条件によって、なかなか容易ではない。だからこそ、日頃、研究、教育、学内業務、学外活動等々と多忙を極める先生方にとって、この様な研修の場は、欠かすことができない授業研究の場となる。

 閉会式においては、歴代会長より様々な商品が提供され、成績発表、講評に花が添えられた。西藤元会長からは直筆の色紙が、辻井元副会長からはお酒が、三幣元会長からはお米が、そして早田会長からは体操の絵柄が入ったネクタイが賞品として提供された。この場を借りて御礼を申し上げたい。

 改めて参加して下さった皆様、そして、指導して下さった先生方、ゴルフ場の関係者の皆様、本研修会開催に当たり、ご支援、ご協力を賜った全国大学体育連合を始めとする関係各位に感謝の意を表して、研修会の報告とさせて頂きたい。

(文責:事務局 中島弘毅)


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